皮膚病と一言で言っても、その疾患の種類は400以上が報告されており、普段よく診る代表的な皮膚疾患だけでも軽く100種類以上の疾患が見られます。数回の投薬や処置で完治するものは問題ではないですが、中には難治性のものも多くあります。
代表的なものとしてシーズーの脂漏性皮膚炎、フレンチやボストンの感染性皮膚炎、柴犬のアトピー性皮膚炎などがあります。
これらの皮膚病は完治するのは難しく、ある程度の継続的なケアや治療が必要となるものが多いです。またこれらの皮膚病は様々な原因が重なって相乗的にひどい症状がでていることがよくあります。
ひどい状態でお困りの方はご相談ください。
アトピー性皮膚炎の減感作療法
皮膚病の中でもアトピー性皮膚炎は根治、コントロールが難しくステロイド剤をある程度使用しないと酷いかゆみが治まらないケースが非常に多い疾患で、治療していてもうまくいかず悩まれている方も多いと思います。ステロイド剤は劇的な効果を得られますが長期使用により糖尿病、消化器疾患、肝炎、医原性クッシング、感染症などの副作用が必ず発現します。
減感作療法とはアレルゲン(アトピーの原因となる物質)をほんのわずか注射して体内に入れ、少しずつ投与量を増やしていくことで、アレルゲンに対する過剰な反応を減らしていくという治療法で、現状では唯一アトピーを根治し得る治療法とされています。
また根治はしないまでもステロイド剤を大幅に減らせる可能性があります。
アトピーがうまくコントロールできていない、今の治療の効果に満足できていないなどお悩みの方は一度、ご相談ください。
減感作療法の治療の流れ
まず血液検査(7,560円)によりハウスダストマイト(屋内に生息するダニ)に対するIgE抗体を検査し、過敏反応を起こしているかどうか検査します。陰性だった場合は減感作療法の効果が期待できないので従来の治療になります。
陽性だった場合は1週間に1回の注射(7,020円)を計6回行います。これは日本で唯一、動物医薬品として承認されている減感作療法で、高い安全性と有効性が確認されています。