猫がブルブルと震えているところを目にしたことはありますか?
これはどのような現象なのでしょうか?
なんらかの病気のサインなのでしょうか?
ここでは、猫がブルブルと震えているときにどのように対処すれば良いのかを解説して参ります。
猫が震える原因とは?
震えるといえば、私たち人間は、「寒いのでは?」と思いますよね。
もちろん、猫も私たち人間と同じく、寒いときには震えます。
しかしながら、寒いとき以外にも猫は震えるのです。
猫が震える原因は、3つあります。
- ストレスを感じているとき
- 痛みを感じているとき
- 老化が進んでいるとき
それでは、それぞれの原因について、もう少し詳しく見ていきましょう。
ストレスを感じているとき
人間と同様、猫も不安や恐怖を感じると、緊張で体がこわばります。
そしてブルブルと震えることがあるのです。
痛みを感じているとき
避妊手術後、手術の傷が痛む、関節炎によって足が痛む、
このような場合、猫は体が震えることがあります。
老化が進んでいるとき
高齢猫ちゃんは、立ち止まった時に後ろ足が震えることがあります。
これは左右対象に見られる物です。
そして動き出すと震えは止まります。
この震えは、年齢とともに進行する場合もありますが、多くの場合、後ろ足の震え以外に異常が見られる場合はほとんどないといえます。
猫が震える原因となる病気とは?

猫が震える病気には、4つあります。
それでは、もっと詳しく見ていきましょう。
てんかん
てんかんは何かしらの原因によって発作が起こる病気のことです。
脳腫瘍や脳炎といった脳の異常が原因のてんかんを「構造的てんかん」と呼びます。
また原因がわからないてんかんのことを突発性てんかんといいます。
発作には、2パターンあります。
体の一部だけのけいれんである「部分発作」と、全身がけいれんする「全般発作」があります。
全般発作が起きると、意識がなくなり、尿失禁や手足をばたつかせるなどの症状が見られます。
パルボウイルス感染症
大変感染力の高いウイルスです。
子猫がこれを発症すると、しばしば死にいたることもある大変怖い病気です。
腸炎による嘔吐や下痢といった消化器症状や、白血球の減少による免疫力の低下などが見られます。
妊娠中の母猫がこれに感染し、お腹の中の胎児も感染してしまうと、胎児は脳に異常がある状態で生まれてきます。
生まれた子猫は、震える、首を傾げる仕草を続ける、ふらついて歩けないなど、生まれつき異常を持って生まれてくることになります。
代謝異常
代謝異常としては次のような病気があります。
- 血糖値が低い「低血糖症」
- 血液中のカルシウム濃度が低い「低カルシウム血症」
低血糖症の原因は、重度の感染症による敗血症や飢餓、肝臓の病気、悪性腫瘍などが挙げられます。
特に若い猫は、低血糖になりやすいといえます。
一方、低カルシウム血症の原因は、上皮小体(副甲状腺)機能低下症や慢性腎臓病、急性腎不全、中毒などが考えられます。
低カルシウム血症になれば、震えのほかに、元気がない、食欲がない、顔を痒がったりする症状も見られます。
中毒
猫が誤って次のものを口にした場合、中毒によるけいれんを引き起こします。
- ピレスリンや有機リン(殺虫剤に含まれる成分)
- マイコトキシン(カビが作り出す毒素)
- 鉛
- イベルメクチン
- カフェイン
猫の震え以外の症状でこれが出たら要注意!
猫が震えている以外に、次のような症状が出たら、すぐに動物病院を受診しましょう。
- 意識を失うような発作を起こしている
- フラフラしている
- ぐったりしている
- 激しい嘔吐をしている
猫が震えているときの対処法とは?
猫が震えているときはどのような対処をすればよいのでしょうか?
原因別に見ていきましょう。
寒さが原因
暖房で温度調節をしたり、ペット用ヒーターで温めてあげましょう。
お湯の入ったペットボトルをタオルに包めば、湯たんぽ代わりになります。
ストレスが原因
まずは落ち着かせてあげましょう。
猫は不安な時は、狭い場所や暗い場所に隠れます。
もし愛猫が隠れていたらそっとしてあげましょう。
老化が原因の場合
震えを止めることはできませんが、高齢猫に負担がかからない環境づくりが有効です。
例えば、猫の足に負担がかからないようにトイレや食事を場所を寝床から近い場所に設置したり、生活スペースに段差ができないように気をつけてあげましょう。
足が震える原因は、関節炎の可能性もありますので、一度動物病院を受診してもよいでしょう。
てんかんが原因の場合
この場合は、無理に落ち着かせようとせず、周囲にあるものを避けて、猫の安全を確保しましょう。
てんかんは数分で収まります。
治ったら、素早く動物病院を受診してください。
万一、数分経ってもてんかんが治らない場合は、動物病院へ電話して、対処法を教えてもらってください。
中毒が原因の場合
無理に吐かせるようとするのはやめてください。
また嘔吐をしているときに水を飲むと、さらに吐いてしますことがあります。
動物病院へ電話して、対処法を教えてもらってください。
まとめ
子猫であれば、お腹が空いたことにより低血糖症で震えている場合には、食事内容を見直すなどしてみてください。
また中毒に関しては、愛猫の生活環境を改めて見直して、愛猫が口にして中毒を起こしそうなものはあらかじめ手がとどかないところに置くなど気をつけましょう。
パルボウイルス感染症は、ワクチンによって予防ができます。
感染率も致死率も高い怖い病気であるため、子猫のうちからワクチン接種をおすすめします。
猫の震えには、さまざまな原因があります。
しかしながら、上記に挙げたようにあらかじめ予防することができるものもあります。
愛猫が震えていると飼い主さんはびっくりしますが、寒さや老化以外が原因と考えられる場合には、慌てずしかし急いで動物病院を受診しましょう。
この記事の監修者
獣医師 田中 浩二
パール犬猫病院 院長
名古屋市緑区の動物病院です。
治らない病気、死を避けることができない病気に関しても「治らないから…」で片づけてしまうのではなく、可能な限り痛みを緩和したり、悪心を抑えたりして、看取る飼い主様が最後の時間を大切に・有意義になるように お手伝いいたします。